渡辺やよいの楽園 -2ページ目

渡辺やよいの楽園

小説家であり漫画家の渡辺やよい。
小説とエッセイを書き、レディコミを描き、母であり、妻であり、社長でもある大忙しの著者の日常を描いた身辺雑記をお楽しみください。

 ただいま、「まんが王国」などで、

私が原作を担当した、ヒューマンドラマ漫画

「セカンド・マザー ひかるの場合」が、配信中。お試し無料もあります!

血の繋がりのない虐待児童を、里子として引き取った夫婦の葛藤と愛の物語です。

この里子シリーズ、現在はセカンドシーズン、「セカンド・マザー のぞみの場合」が、始まっています。こちらは女の子物語です。

 

 あしださんの優しい絵柄が、悲惨な話を感動的なものに盛り上げています。

 よろしくお願いします!

元旦。

東京穏やかな天気で、静かだ。

 私は、ヒロインの処女喪失シーンをせっせと書いている。 ああ、平常運転なり。去年今年は公私ともに大変な状況で、正月らしきことはほとんどやらない。

 だが平常運転できるありがたさ。

 

 

世間はもはや仕事納めで、東京は閑散としてきた。

しかし、生まれてこのかた自由業の私は、年末仕事納めというものをした経験がないのである。

たいてい編集さんは「お仕事は正月明けでけっこうです」と、言ってくるので、それはつまり「正月仕事してね」ということなのである。

世間がお休みの時に仕事をする人々は大勢いるので、まあ、仕方ない。

イグアナの頭を撫でつつ、中世にタイムスリップした女子大生の話、ドラゴンの生息する王国に生きる王女の話、欲求不満に悩む人妻の話、等々に脳みそを振り絞る日々なのであります。

皆様は、よいお年を!

 

 先日。 
 いつものように早朝犬の散歩に出かけ、戻ってくる途中。 
 坂道の先に、なにか犬のようなものが横たわっている。 
 何だろうと近づくと、なんと、タヌキの死骸であった。 
 車にはねられたらしい。 
 外傷らしいものはなかったが、内臓がやられたらしく口と鼻から大量の出血をしていた。 
 どうしようかと思ったが、犬連れだったので、一旦帰宅した。 
 しかし、あのままでは多分また車に轢かれてしまうだろう。 
 動物の死骸を片付けたがる人はあまりいないだろうな、と思い、段ボール箱を探し出し、それを持って、坂道に戻っていく。 
 早起きのお年寄りが数名、タヌキを囲んでいた。 
「タヌキだよ」「かわいそうだねぇ」 
 私が近づいて、「気の毒なので、うちに運んで、区役所に連絡して引き取ってもらいます」といって、タヌキの四肢を掴んで持ち上げた。 
 死んだばかりでぐにゃりとして、なかなか重い。 
 毛艶もよくて健康体なタヌキだ。 
 お年寄りたちは「重くない? 運ぶのてつだいましょうか?」「まあ、ありがとうねぇ」などと、気遣ってくれた。 
 私は生き物をたくさん飼って看取ってきたので、死骸に触れることには全然平気なのである。 
 自宅の車庫に段ボールを置いて、区に連絡したら、引き取りにきてくれるという。 
 うちは都会のど真ん中にあるが、近所は閑静な住宅街で、学校もお寺も大きな庭持ちの家もあり、タヌキが住み着くには良い環境だったのかもしれない。 
 私も、死骸とはいえタヌキに触れるのは初めてのことだった。 
 タヌキの番いは死ぬまで同じペアで一緒だという。 
 このタヌキがオスメスかはわからなかったが、冬は番う時期なので、相方がいたとしたらかわいそうなことだったな。 
 外来種のハクビシンやアライグマが都会に跋扈している昨今、純粋な日本のタヌキ、がんばれ、と思う。 
 タヌキの死骸は、その日のうちに役所の人が引き取っていった。 
 写真は、顔の周りの出血は修正して綺麗な顔にした。 

 

 年始年末、休み無しで平常運転で仕事である。

 自由業は不自由業なのだ。

 


 

 暖を取れれば、私でもよいのだな、イグアナ。

 つか、重たいのだ。

 イグアナは警戒心の強い生き物だが、知能は猫くらいはある。

 自分の名前は覚えるし、トイレのしつけもできる。食べ物は人間も食べる野菜のみで、調達が楽。性格もおとなしい。

 だが、相手の信頼を得るにはなかなか時間がかかる。

 ここまで懐いてくれるのに、二年はかかったのである。

イグアナ。

寒くなってきて、温暖ヒートとUVランプは必須。

しかし、日焼けサロンみたいなかっこうだな。

元アイドル奥様、貸し出します。

渡辺やよい(著)/

かつて子役アイドルとして一世を風靡した人妻・愛は夫の借金返済のために体を……

 

 

二見文庫 マドンナメイト

 
予定価格本体657円+税
発売予定日2016年10月26日

 

 

 週刊実話で連載中、大人気だった「奥様はアイドル」を、大幅加筆修正して文庫本にいたしました。よろしくお願いします!

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え? なにもう、9月?

年とともに激減していくなけなしの集中力かき集めるため、耳栓して現世から遮断された状態で、仕事ばかりしている。

 気がつくと、もう夕方だ。

 ぎりぎりまで仕事して、犬の散歩と夕飯の買い物して、子供たちのために夕食作って食べさせて、後片付けや洗濯なんかし終えると、もうなにもできない役立たずの出来上がりだ。

 ベッドに倒れこんでスマホアプリゲームなどいじっているうちに、ぱたんと寝てしまう。

 気がつくと、朝。

 犬の散歩と子供の朝ごはん作り、食べさせて出かけさせ、掃除と後片付けして、耳栓して仕事……。

 人生はどぴゅーんと過ぎていくよーっ

 振り込みにいく時間もなくて、お金はあるんだが、催促や請求書が溜まってしまう。

 自分がもう一人欲しい。

 いつか、屋久島にもう一度行きたい……ぼうっと1日、コトダマと過ごしたい……